ダダ日記ダダダ

ただただ日記。推し量ってくれれば。

消臭力せっけんの香りで一人暮らしを実感した。

朝起きて、寒くて布団の中でうだうだしていたら二度寝をし、目を覚ましたら起きる予定の時間を1時間ほど過ぎていた。仕事は休みであったし、誰かを待たせるような予定はないのでそのままもう30分ほどベッドの中でうだうだした。

 

とりあえず起きてしまえば何かしらを始められるだろうと、動く気にはあまりなっていないがベッドから抜け出す。

苦労なくテーブルの上にメガネを見つけ、メガネをかけたら今度はタバコを探す。タバコは本棚の上に置いてあり、昨日、帰宅時にポケットのものをまとめてそこに置いたことを思い出す。

 

空気清浄機の前でタバコを吸い、煙が吸い込まれて行くのを眺めながら、今日しなければならないことを考える。

 

まず部屋の真ん中に積み上がっているプラスチックの収納ボックスをどこに置くかを決めないといけない。それから洗濯もしなければならない。そういえば洗濯機につなぐ蛇口のどこかから滴が垂れていてどこかが緩んでいるみたいだから締めないといけない。自分でやるべきなのかアパートの管理会社に連絡してみるべきか。

 

とりあえず明日までに洗濯物が乾かないと、会社に行くのに困る。今日のところは垂れる滴は我慢して、使わないときは蛇口を閉めておけばいい、洗濯機を回してる間に収納ボックスを片付けることにした。

 

垂れる滴に納得のいかない気持ちのまま洗濯機のスイッチを入れ、運んで来るときについでにと収納ボックスの中に詰め込んでいた漫画やらなんやらを取り出し片付け始める。

 

ダラダラと片付けを始めると、この部屋のクローゼットの奥行きでは収納ボックスが入らないことが発覚し、早速挫折しそうになる。改めてこの部屋の物の配置を考え直す必要があるかもしれない。

あれをこっちにこれをあっちにと動かしなんとか収まりがつく。

ダンボールの箱から収納ボックスに中身を移して空の箱をたたんでまとめる。

 

そうこうしているうちに洗濯機の終了のアラームが鳴るが、物干し竿を引っ越し前の家に置いてきたままなのに気づく。仕方なくカーテンレールにハンガーをかけ部屋干しにする。

 

完璧ではないものの諸々を終わらせたので、昼食を買いに行くことにし、メガネをコンタクトに替え、着替えて出かける。

 

コンタクトの保存液が切れそうなのでそれも買わなければとドラッグストアにも行く。

ドラッグストア内で部屋干しの洗濯物がタバコ臭くならないかと気になりだし、消臭力も買った。

 

帰宅し、昼食を済ませ消臭力を棚の上に置く。

思っていたよりもあっという間に部屋の中に「消臭力せっけんの香り」の香りが広がる。

本物の石鹸より甘いような、スッと鼻を抜けるような独特の「消臭力せっけんの香り」を嗅ぐと、前の前の家もこの香りの置き型の消臭剤を置いていたことを強烈に思い出した。そこは実家を出て初めて一人暮らしをした部屋で、夢などを見て勝手に実家を出て、これから始まる何かに対する不安をすべて受けて立って期待した未来に進んだ行くぞという気持ちで過ごした場所だった。

 

自分の家を好みの香りにすることで6年続いたルームシェアを終わらせて、一人の暮らしがまた始まったことを強く実感させた。

それからあの時と同じ「消臭力せっけんの香り」は、今とあの時を如実に比較し、今の自分の内面を省みさせた。

 

今日、より後のこれからにやらなければいけないことを考えながら空気清浄機の前でタバコを吸った。

空気清浄機では吸い切れないタバコのにおいも、消臭力は強力なので、すぐに「せっけんの香り」に変わった。

 

それから、元同居人から貰った漫画を読んでルームシェアの余韻に少し浸った。